第95回定期宗会

宗会混乱に思う

前代未聞の空転宗会として宗制史に汚点を残したのではないかと危惧されます。宗門運動に関する重要な三法案の審議が眼目の宗会が議長人事で2日間も空転してしまったことは懺悔の至りです。その理由は、平成17年12月に満場一致で選任された平井照山議長(明和会)は以降大過なくその任を全うしてこられ任期の途中でした。ところが、会派間の勢力人数のバランスが変化したことから、同心会から議長交代の要求が出され、その可否を巡る交渉がなされ、さらに総長人事や宗門運動三法案の審議方法と連動して延々と続けられたのです。一応の合意が得られて開会式が行われたのが初日夕刻遅くなってからです。この間、酒井管長猊下に待機していただいたことは誠に申し訳なく汗顔の至りです。開会式が終了し、委員会構成も決定し、いよいよ実質審議にはいると思ったら、またまた会派問の交渉が暗礁に乗り上げ、夜通しの交渉も合意が得られず翌日も再び空転、夕方になってようやく議長交代を行うことで決着し審議に入ることとなったという経過です。審議に入ってからは、宗門運動関連三法案を含む宗憲、規程の審議、教師義納金改定を含む予決算案の審議等、実のある審議が行われたと思います。時間不足のため通告質問が大幅に削らざるを得なかったことは、自業自得とはいえ質問できなかった議員は残念無念なことでした。宗会が空転している間、いろいろな思いに駆られました。国会での党利党略派閥間の勢力争い審議拒否、強行採決やれを阻止する暴力行為等の報道を見ていると、国民の代表たる者が何とバカなことを、と腹を立てていましたが、ところがその中に身を投じてみると社会の模範となるような議会運営をしなければならない我々信仰集団が、世俗と同じことをやらざるをえない、いったい何故なのかと考えていました。実質審議に入り内局提出法案が一部修正されながらも可決成立していきました。宗会解散も視野に入れながら真剣に議論し三法案が承認された時、これでやっと4月1日から宗門運動が実働できるという思いで感無量でした。まさに産みの苦しみを実感しました。難破船に乗って嵐をのりきった船員の思いです。1週間の波乱宗会も自分に取っては勉強になり意義深いものでした。新年度から新宗門運動がスタートします。実践こそ本命です。この経験を糧に宗門発展に尽力しようと決意を新たにしているところです。


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